小5・算数が苦手でも割合を楽しくスイスイ解く方法
3学期に入り、小学5年生は算数の山場である『割合』に進んだことでしょう。
割合(%)は中学生以降も必須な単元ですが、学校の授業だけではなかなか身につきません。
寺子屋では5年生の2学期の1か月ほどで一通り解けるようにしており、3学期の今は、教科書レベルの問題ならスイスイ解いています。
もちろん、普段から学校の勉強以外はやらない子たち、算数が苦手な子も、国語が苦手な子も多く、ごく普通の子ども達ですが、面白いほど解けています♪
その寺子屋ノウハウのご紹介です。
目次
割合の理解は後回し!解けるようにしよう
5年生を持つたびに、いろいろな本を読んで研究したり、子ども達を観察してみた結論。
「理解は求めない」のがポイントです(^^;
「公式を使って解けても意味はない。公式を使わずに自分で考えて解けるようにするべきだ」論があるのも知っています。
が、まぁぶっちゃけ、理想は高くても子どもは嬉しくないんですよね…。
特に中学受験をしない5年生って、まだ勉強をする理由が分からないし、「できるようになろう」という気持ちも薄いのが現状です。
そんな子ども達って何が一番嬉しいかと言うと、解けること!
だからまず、『解ける状態』を作ってあげることが必要です。
スイスイ解けるようになったら、得意な気持ちも芽生えて、じゃあもうちょっとやろうかな~♪ってノリになり、数をこなしているうちに何となく理論が分かってくる…この辺りを目指しています。
算数ミッフィーを使って公式を覚える
ここからは寺子屋での授業ノウハウを一気に公開します!
長女の代に作った算数ミッフィーを使って解いていきますよ~!
子どもは面白いものが大好きなので、いきなりインパクトを与えます。
「みんな、ミッフィーって知ってる?」
うんうんと頷く子ども達。
ブルーナさんのミッフィーは誰だって知っています。
ババン!
「怪しいミッフィーが出てきたぞ~!」
子ども達爆笑。
「これは算数ミッフィーって言います。みんなはまず、このミッフィーを覚えてあげてね!」
目が2つあるだけで、怪しさ爆発。
目が割り算の記号、口元がかけ算の記号になっています。
インパクトが大事なのは、単純に「くもわ」の公式の図を書いても、それを覚えることすらできないからです(^^;
「公式を使わずに解こう」論どころではなく、「公式を覚える」という発想すら持てない子が多いので、理想への道のりは遠いのです…。
「くもわ」を入れていきます。
「このミッフィーは眉間にしわが寄っていて、『く』が入ってます。」
「涙がポロリと落ちて『も』」
「こっちのホッペはふくらましてタコ焼き作ってますの『わ』」
と説明して、くもわの配置を覚えてもらいます。
しばらくは、問題を解く前に、「算数ミッフィーの顔を描いて~」からスタートして、この公式をしっかりと思い出してもらいます。
とにかくお遊び感を出して、楽しい魔法をかけますよ~♪
割合の問題文に「くもわ」の印をつける
次に、「わ」になる言葉を覚えてもらいます。
一般的な割合の学習内容なので、この辺りは学校の教科書や、市販の問題集の要点まとめなどを使ってくださいね。
「く」と「も」は、私は「単位が同じになる数字」で見つけるように伝えています。
必ずしもではないのですが、最初のレベルではこれで十分です。(それでも難しい子もいる現場なので…)
もとにする量・くらべられる量の区別はドラえもんの鈴で攻略
もとにする量とくらべられる量の区別も、公式で当てはめて解きます。
そこに出てくるのが、じゃじゃじゃん!
「ドラえもんの鈴~♪」(大山のぶよ風に)
「ミッフィーがおしゃれして、首にドラえもんの鈴をつけたよ~」
はい、「の」を入れるわけです。
これは首のリボンを矢印にもじって、「もとにする量、の、割合」という風に読みます。
問題文で『割合』に線を引いたと思いますが、その前の『の』に〇をつけます。
そして、『の』の前の言葉に線を引きます。
それは何か単位のある名詞になるので、その言葉に線を引いて『も』を書き込みます。
これらの情報をミッフィーに書き込むと、アラ不思議!
式が立てられちゃいました!
ここで割り算の式を立てる際に、無意識に数字の大きい方を割ろうと、下から上に数字を読む子も出てきます。
そんな時は、「涙が下から上に上がってどうすんねん!」とツッコミ(笑)
涙は上から下にしか落ちないので、必ず式も上から下です。
式のつじつまを確認するのも重要なので、最後に『が』を記入して確認するテクニックも使います。
これを寺子屋では「ガラスのイヤリングの『が』」と呼んでいます。
「もとにする量『の』割合『が』くらべられる量」と読みます。
ミッフィーへの書き込みは、どうしても数字だけになりがちなのですが、できるだけ日本語の記入も徹底させてください。
そうすると『の』と『が』が生きてくるようになります。
最初はミッフィーを小さく書いて、ぐちゃぐちゃになりがちなので、できれば書き込み用の外枠だけ用意してあげるとスムーズでしょう。(プリントの写真では、エクセルで作っているので顔が四角です)
また、しょーもないことですが、計算に関係なくても耳を描くと気分が盛り上がります(笑)
遊び感覚が加わるので、ただの算数の問題よりもハードルが下がるようです。
寺子屋の子ども達は、特に女の子なんて、いつも耳を記入して可愛らしく盛り上げてから、一生懸命に計算しています♪
問題によっては、公式に当てはめにくいものもありますが、最初はこんな感じでとにかく解く!優先で良いかと思います。
割合が解けるようになった!でも理解はいつ?
公立小学校→公立中学→公立高校の場合、中学1年の理科で濃度の問題が出てきます。
その時に、理解にまで思考が伸びてくれば十分です。
ついでに言うと、中1数学の一学期にやる文字式では、文章題から文字式を立てますが、割合の文章題も出てきます。
だいたい、ここで点数に差がつきます。
割合の問題で式が立てられると上位に食い込めるので、『式が立てられる』のは大切です。
思考を深くつなげていくのは、ある程度の精神年齢が必要です。
自分から「理解しよう」という思いがないと、しんどい作業だと思います。
中学受験無しでのんびりと育っているタイプのお子さんの場合、「理解したい」気持ちが育つのを待ってから一気に進めた方が、苦手意識もつかずにスムーズです。
こちらの中学では、中学のテストに、中学受験レベルの濃度の問題が入ってきます。(四谷大塚の小5問題と同じような問題が、中1理科のテストに出てました…)
これを小学生にやらせるのは困難でしたが、中学生がやるのはスムーズです。
効率よく、できるときまで待つのも作戦かなと思います☆
まとめ
のんびり小学生には、まずは算数ミッフィーというキャラとお友達になってもらいましょう!
ミッフィーが描けるようになったら、文章題に線を引きましょう。
ミッフィーの顔に日本語と数字を書き込んで式を立てください。
ミッフィーの首の鈴と、ガラスのイヤリングで、つじつまを考えられたら完璧。
理解するのは中学生になってからでも大丈夫!
まずは楽しく、スイスイ解けることが最優先です☆
%の変換と、割分厘については、別の記事でご紹介したいと思います。
写真が赤くなってしまっているので、写真の差し替えも検討します(^^;
では、また☆
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今更ながらですがこのコメントを読んで思ったことがありまして・・・
私もみかげさんにのように理解が後でもいいと思います
私は子供のころそろばんを習っている際に低学年で2級の勉強をしていました
そろばんが好きで先生が楽しい人で毎日通っていたので親曰く進むのが早かったそうです
そろばんの文章題で速さや割合の計算がたくさん出てくるようになりそろばん教室の先生は理屈を教えてくださいましたが私は意味が分からず機械的に解いていました
仕方ないですよね
低学年なので
でも高学年でその勉強になったときには点と点がつながって線になった感じで理屈がわかり面白さを感じました
各学年で学習する内容が理解できればそれに越したことはないですが知能的な発達も個人差があると思うのでその時理論がわからず解けないのならばせめて解き方だけでも覚えておくほうがいいと思います
コメントありがとうございます。
返信が遅くなってしまって申し訳ございません。
秋になってPTAバザーが…バザーが…近づいてきて、役員として連日打ち合わせや提出書類の山に埋もれてます( ;∀;)
ご経験からくるご意見、とっても参考になります!
私が見ているお子さんたちとは逆のパターンで、低学年だけど解けちゃうケースですね。素晴らしいです!
こういうケースは経験がないので、ご意見嬉しいです(^^
> 点と点がつながって線になった感じで理屈がわかり面白さを感じました
そう、そうなんです!
この表現、まさに私が言いたいことです!いただきます(笑)
おもちねこ様はこれが学年相当のことで、私が見ている子たちは、これが中学生になってからになるのですが、この「線になる面白さ」が来る時期が、ちょっとずれるケースがあっても良いんじゃないかと思うわけです。
実際、私自身も数学にひらめかないセンスのかけらも無いタイプだったので、ひらすら公式を覚えて使っているうちに、「こういうことか!」と線になるパターンを、大人になってから仕事でもよく経験しました。
割合や算数に限らず、まずは使えるようになって、使っている内に理解するってことは、実生活では殆どじゃないかなと思います。
…あ、話がふくらんで来ちゃいましたが(^^;
それと、おもちねこ様のご経験をうかがって、私の失敗を思い出しました。
スイスイ解いて嬉しくなっている子どもを、止めたらダメです。
以前、計算パズルのプリントを配ったことがあって、普段はあまり勉強に積極的でない子が、すごい勢いで解き始めたことがありました。
私は宿題にと思っていたので、うっかりと「それくらいで止めておこうか」と声をかけてしまいました。
で、その子は二度と、そのプリントを自分から解くことはありませんでした(*_*)
今は中2ですが、能力はそこそこあっても、勉強に消極的なのは変わらず、メンタルが一番の壁になっていると感じています。
課題を出すタイミング、止めるタイミング、6年くらい前のことですが、今でもよく思い出しています。
おもちねこ様の周りにいらっしゃった大人の方たちは、上手に興味を引き出して、課題を出して下さっていたんですね。
それを大人になってから、良かったこととして振り返ることができるのも、うらやましく感じます。(あ、ホンネが!)
去年、ミッフィーで解いた子たちが、中学生になる前にこれから復習シーズンに入ります…が、果たしてどれくらい覚えているのか…自分が試されるようでドキドキです(^^;
解けるという体験が自信に繋がるという側面はありますが、割合の意味を理解しないでスイスイ解けてしまうのは長期的に見ればマイナスです。
「意味がわからなくても解ける」という経験から「問題の意味は解けるかどうかに関係ない」と認識する可能性が高いからです。
理解ができないのであれば、理解ができるようになるまで待つという作戦は賛成です。
理解ができないのであれば解けなくて当然。
解けないものだってあると思うことのほうがずっと大切です。
解けなくたっていいんです。むしろ、わからないものが解けちゃダメなんです。
小学生のうちから「解けた後で理解すればOK」という考えになるのは非常にマズイ。
是非ともその辺の認識を改めて頂きたいと思います。
コメントありがとうございます(^^
前日にねこさんという方からも一言いただいてるのですが、生き物のHNなので同一人物でしょうか?
おっしゃっていることは、非常~~~によくわかります。
『理解していないのに解けてしまうこと』への警鐘ですよね。
この記事は『解く方法』のご紹介なので、その先はもちろんお子さんに合った方法で、ご家庭で見ていただけたらと思います。
もし、「理解しないのに解けたらマズイ」と考えるお母様の場合、使わないでいただけたら、ご心配はクリアです(^^
万が一、私の教室での授業内容を変えて欲しいと願われている場合ですが、教室では私が一人で長期的にフォローしており、中学生になった子ども達も見ています。
長くなりますが、長期的に見た場合のお話もさせていただきますね。
私も以前は、理解に重きを置いていたので、こういう練習はしていませんでした。
しかし、5年生の割合や分数ができないまま中学生になった方で、解けるようになった方は皆無でした。
中学生では数学や理科でよく使いますが、中学校では「解き方」が分かっている前提で進むので、解き方を知らない子たちは、授業に参加できないまま流れていきます。
単元で出てきた際はフォローしますが、小学生時代から続いた「分からないから捨て!」な感覚は、覆りません。
中学生、解きたくないと思ったらホンマに頑固です…(^^;
それに割合だけに時間を割けないくらい、英語やら他の課題も山積みですしね。
今の中学生や、うちの子は、解けることを優先して解き方の練習をしました。
中学生になって1学期の数学、文章題から文字式を立てるところで出てきますが、はい、解き方を知ってたくらいじゃ解けません~(*_*)
小学生のころ、スイスイと解いていた子も、全然解けなくて愕然としていました。
ご安心ください。
中学生の問題は、「解き方を知ってるのに解けない!」現実にぶち当たります。
そこから「理解して解けるようになりたい」に現在、つながっています。
とりあえず解き方は覚えているので、その先の理解にパワーを割け、以前の中学生よりはハードルがかなり下がっています。
「覚える」と「理解する」作業を分散させることで、子ども達の負担は下がります。
1学期期末テストは、方程式の文章題でも出てきますし、こちらでは2学期に理科で濃度と流れていきます。
1学期の数学で思い出しながら解いて、文章題でちょっと苦戦しながら「なんで?」と頭を使い、理科の濃度では実験もあるので体験としてつながっていきます。
だいたい、小学生の間に解けるようになり、中1の間に理解につなげていくのが、こちらの地域には合っている様子です。
文章題が苦手で、小学生の間に全く理解できなかったタイプの方も、中学生の今、本当によく頑張っています。
中2ですが、ちょうどこの夏休みは、割合だけでなく、速さをクリアしようと根気よく取り組んでいます。
割合が理解できないお子さんは、5年生の時点でかけ算や割り算、分数の意味が理解できていません。
「倍」という言葉が理解できていない、「割る」が分ける行為につながらない、算数用語を言葉で説明できません。
どじょう様のおっしゃる、『わからないものが解けちゃダメ』は本当にその通りです。
もっと、小学1年生2年生の段階で、計算の意味を理解することが非常に大切だと日々感じています。
世の中の学校やご家庭が、低学年の学習にこそ、理解に重きを置き、小手先のミッフィーが不要な子たちが育ってくれることを、私も祈ってします(^^
もちろん、今私のところに来てくださっている2年生さんには、そういう指導を心がけます♡
今回、ミッフィーを使ったのは、高学年から見ているお子さんばかりなので、こういう手段も使いましたが、もちろん今の2年生さんには不要な未来を目指しています♪
ご指摘ありがとうございました。